8月6日という日

14歳だった義母が被爆したのは、今日ではない。

たった一度だけ聞いた話の記憶が確かならば、当時郊外に暮らしていた義母が入市したのは、8月9日か10日だったという。
ひどいありさまだったんよ、と言葉少なに語るので、やはり話したくはないのだろうと悟り、それ以上訊ねることはできなかった。


今はもう、萎縮してしまった脳ゆえ、何も語ることはできない。
思い出したくないことはみんな忘れてしまったのだろう。
それならそれでいい。
記憶の嵐から解放されたのなら。

でも、あなたの話を記憶しているものが生きている限り、あなたの体験は語り継がれる。
たとえ、それがたった一言であっても。


ひどいありさまだったんよ。

その声を、わたしは忘れない。









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