さよならの儀式

6月28日。
野付半島のトドワラに行った。





初めて行ったのは、大学4年の夏だった。
もう一度行きたいと思いながら、30年近くたっている。

ふとした拍子に表層にうかびあがってくる、ぷちんと切れてどこにもつながらない糸。

迎えに来てくれたら、手をさしのべられたら、きっとその手を取ってしまうだろう、といつもびくびくしていた。



それを手放す。
もう、すがらない。
そう決めて釧路に来た。
そして、今回の旅仲間と共に、トドワラを訪れた。

ちょうどお昼時。
太陽のいちばん高い空。
あたしの深いところから取り出したまあるくて鈍く輝く玉を、解き放った。
ずっと、あたしを見守っていたもの。
ずっと、あたしを縛っていたもの。
大丈夫。
もうひとりで歩けるから。
いや、ひとりで歩いていたけど、いつもほんとうはその糸にすがっていた。

玉は、糸を絡めとり、空へと消えた。
もう来なくていいから。


ここも神のみくになれば
あめつち御歌をうたいかわし
岩に樹々に空に海に
たえなる御業ぞあらわれたる


二度歌った。
そして。
ありがとう。
さようなら。

あなたのために流す涙は、これがさいごです。








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