日の高い時間の官邸前

昨日。
金曜日は官邸前で声をあげる日。

といいつつ、毎回行くことはなかなかできず。
日曜も含め、なんとか毎週クリアみたいなかんじだったけど、先週は体調不良もあり。
そう、義務感で通うんじゃダメさって思っている。


で、昨日。
18時からは別の予定があったので、その前の隙間の時間を使って、官邸前へ行ってみた。
今までは、勤務終了後で大遅刻(笑)だったり、
早めに行ったつもりがぜんぜん早くなかったり、
とにかく、総理官邸前交差点というところを見たことがなかったのだ。
官邸前行ってきます、なんて言っても、いちばん肉迫したのは国会議事堂前駅の4番出口そばなので。

国会議事堂前駅についたのは、16時くらいだった。
こんな早い時間なのに、すでにメトロ構内では警官の配備がすんで、
出口規制も始まっていた。4番からしか出られないって・・・うーん。
3番が入り、4番が地上へ出、ということに決まっていた。
通路が狭いから出入りする人を交錯させないようにするには、・・・そうするしかないのかなぁ。

地上に出ると、いきなり鉄柵。
前回来ていないので、高く組み立てられた柵を見るのは初めてだ。
見た瞬間、くそっと思った。
いや、実際口は「くそっ」と声を出していた。おまわりさんに届いちゃったね。
なんだかとてもささくれた気持ちになった。
でも、昨日はけっこう風が吹いていた。
交差点へ向かうと西陽の直射になるほてった顔をすうっとなでていく風が、
苛立つ心を涼しくしてくれた。

ちょうど田中康夫議員が官邸前交差点で白い風船を配る時間帯にあたるので、
お会いできたらいいなぁと思っていた。
交差点を目指していたら、お。
風船を配る、風船(ごめんなさい)のようなまるまるヤッシー議員登場。
ほかの方にも配ってね、と複数個渡す作戦は、なかなか合理的かもしれません。
もっと時間のあるときに、ぜひお手伝いをしようと思いました。

白い風船が、抗議の時間中にふわふわと浮かんでいると思うことは、
まんがの吹き出しみたいだなぁということ。
ここにみんながコールしている「再稼働反対」や「原発いらない」が
込められているのが見える気がする。
白いから、その人の気持ちがそのまま投影される。
官邸前はシングルイシューというけれど、今度のことで人々が考えていることばは
けっしてひとつじゃない。
それを白い風船がみんな飲み込んでくれているな、と感じている。

渡された風船を抱きしめて、官邸前交差点の少しはずれたところでぼ~と立っていた。
(記者会館の門の前)
お隣に立っていたおばちゃまに話しかけられた。
「ものものしいわねぇ」
初めていらしたと言う。どんなかんじなのかしらね、と尋ねられたので、
知っていることをお話しした。後ろしか知らないから、初めて前を見に来たんですよ、とも。
おばちゃまは栃木県の方で、前日甲子園の応援に行ってきたあと、
帰宅する前にここに来たとお話ししてくれた。
いてもたってもいられず、でも、距離と時間を考えるとなかなか来られず、
この機会を逃したくないと思ったのだそうだ。
なにかしなくちゃ、なにか動きをみせなくちゃ。
それはここに来る人みんなが同じ。

そんな話をしていたら。
60代のご夫婦が交差点側からゆっくり歩いてこられて、話しているわたしたちの前で立ち止まった。
お父さんが口を開く。
「あなたたちは、原発とはどういった関係ですか?」
おう。関係。こういう質問が来るなんて考えてもみなかった。
おばちゃまとふたりしどろもどろで、
「関係、関係はないですが、止めたいんです、原発を全部」
するとお父さんの顔がふわっとゆるんだ。
「私たちは被災者なんです。双葉町の3キロのところから避難していますよ」
3キロ。日々、あの煙突を見て暮らす距離だ。
今は埼玉県内で暮らしているそうだ。
「この年になって、家を失ってアパート暮らしをすることになるとは思わなかったよ」
帰りたくても帰ることができない、そのおもいがぎっしり詰まっていた。
ご夫婦もやはり初めてここに来られたそうだ。
日々の暮らしに追われ、来てみたい、どんな人がいるのか、なにをしているのか、
自分たちの気持ちはくみあげてもらえているのか、それを知りたいとおっしゃった。
「黙ってはおられんですよ。なにもかも変わってしまったんだ。黙っているわけにはいかんですよ。」
怒気ではなく。淡々と。

ああ。ここで泣いてはいかん。泣きたいのはわたしではなくて、
お父さんとお母さんだ。
涙を流さない方法は知っている。目をいっぱいに見開いて、こくんとつばを飲む。
すると涙はのどの奥に落ちてくる。

きれいな海の近くで、緑の土地で、家族6人で暮らしていたお父さん一家。
今は、ばらばらに暮らしているという。
双葉町で同じ暮らしを取り戻すことができなくても、
せめて、今いるところで、今までと同じような暮らしをおくる手立てはないだろうか。
そこまでするのが、国と東電のなすべきことなんじゃないだろうか。
何度もしょっぱいつばを飲み込みながら、幾度か訪ねた双葉町の景色を思い出した。


国民の声をきけ。
こういうひとりひとりの声をきけ。

人が集まってくる時間帯は決まっているけれど、
人々が抱えている思いに時間の区切りはない。
365日24時間、声は流れている。


おばちゃまと、お父さんお母さんに、あいさつをしてその場を離れた。
これからもわたしはできるだけここに来て、みなさんと一緒に声を上げ続けます、と伝えて。


たいせつなのは、忘れないことだ。
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ありがとう

頑張ろう!なんて気軽には言えません。
素直にありがとう。

双葉町から埼玉県へと難を逃れた御夫婦に、幸せが少しでもいいから、訪れてほしいと願ってます。

埼玉県の加須市には、いまだに廃校で暮らしている人々がいることを、殆どの国民が忘れてる、もはや過去のことと認識させられている。…それは何故?

私は今は、別角度からアプローチしています。「電源周波数」の変換施設の増設です。7000億円で、一つの施設が作れます。

日本中の電源周波数が同じなら、原発はなくても、この国の電力は賄えます。

明治時代からの悪しき因習を(電源周波数)、思い切って統一せねばなりません。
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ゆる~く生きてます。
好きなものがたくさんあります。

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